高齢者の不満 2008 6 1

いつだったか、これは、4、5年前の話だったと思います。

高齢者「いくら貯金をしていても、今はゼロ金利というやつで、
    ちっとも利子がつかない。実に、けしからん」

私「いや、今は、実質的に利子がついているようなものです。
 デフレから利子をもらっているようなものです。
  たとえば、1個100円商品が、1か月後は98円になっていたとします。
 半年後には94円に、1年後には89円になるかもしれません。
  このような場合は、商品の値段が下がったと考えるより、
 100円硬貨の価値が大きくなったと感じるべきです。
  つまり、デフレの時は、何もしなくても、
 たとえ金利がゼロでも、お金の価値は増えているのです。
 そういうわけで、デフレの時は、タンス預金が、ベストな資産運用となるかもしれません。
 ただし、泥棒に盗まれるというリスクがあります」

 さて、2007年は、身近な食料品の値上げラッシュの秋でした。
最近でも、毎月のように、身近な食料品の値上げというニュースを聞きます。
 このような経済情勢になってくると、高齢者の不満は大きくなるでしょう。
もちろん、勤労者の不満も大きくなっているでしょう。
給料が全然上がらないのに、食料品の値上げラッシュが続いています。

内閣支持率 2008 1 19
 外国では、物価上昇が「政権への不満」につながります。
これは、日本でも、同じことが言えるでしょう。
(日本では、2007年秋、身近な食品が値上げラッシュの秋となりました)
 もちろん、一般大衆は、
インフレやデフレという専門用語は知らないでしょうが、
毎日の買い物を通して、本能的には理解しているでしょう。

between deflation and inflation 2004 2 14
 最近(2004年2月14日当時)、新聞で、よく見かける言葉があります。
それは、「原料価格の上昇」という言葉です。
また、「海上運賃の高騰」という言葉もあります。
 原油価格は、今後、中国で、
大きく需要が増えるので、上昇するでしょう。
 多くの人が、デフレを警戒していますが、
そろそろ、インフレも考慮すべきです。
 しかし、景気は、全体では、好調とは言えない状態です。
さらに、賃金も、全体では、相変わらず、現状維持か、減少傾向にあります。
これでは、価格転嫁ができないでしょう。
 こうして、デフレ基調は減少するが、
しかし、インフレにもならない(between deflation and inflation)。
 ただし、こういう状態は、いつまでも続けられるものではありません。
エネルギーが貯まって、限界に達した時に、
そのエネルギーは、どちらかの方向に放れるかもしれません。
 ところで、「between deflation and inflation」に、
ちょうど、イメージが合致する日本語が思いつかないのです。
 いずれにせよ、日本経済が、「弁慶の立往生」とならないように、
今後、到来する、「経済的難局」を乗り切る必要があります。















































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